2008年02月24日

魔王

伊坂幸太郎の【魔王】を読みました。伊坂作品の中でも上位ランクに食い込む面白い話でした。どんな話かを説明する代わりに、「書き留めておきたくなった文章」をメモさせてください。

『この世の中で一番贅沢な娯楽は、誰かを赦すことだ』

『ファシズムのフランス語での語源「faisceau」は、「いくつかの銃の先をたばねて立てること」という意味らしい』

『でかくて、威張ってないのは、清々しい』

ごきげんよう、おひさしぶり

mao_isaka_kotaro.jpg.JPG魔王

漫画にもなったそう。Amazonのカスタマーレビューを見ると、「原作は伊坂幸太郎の同名小説。それがジュブナイル作品として大きくリメイクされています。伊坂氏の他の小説作品からもいくつかの設定が持ち込まれ、氏のファンならば間違いなくニヤリとさせられるでしょう。」とのことなので、俄然、気になってきた。nmf家の漫画大臣に買ってもらおうっと♪

manga_mao.jpg魔王(1)


人気blogランキングへ

posted by nmf at 16:43 | ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年01月06日

読んだ本 2007

あけましておめでとうございます。

明日から仕事です。その前に去年の"まとめ的記事"を二つ、アップします。まずは、読んだ本から。前回は、星5つを満点として簡単に採点だけしてみましたが、今回は感想も書いてみました。興味を持ったらリンク(Amazon)に飛んで、あらすじや口コミを見てみて下さい。



風林火山
井上靖
★★★★★
NHK大河ドラマの原作。武田に捉えられた由布姫が雪の中脱走し、勘助が探しに行って見つけ出すところは、朝の通勤電車内なのに涙ポロリ。ドラマも良かった!今日から篤姫が始まる。原作、宮尾登美子だし、読みたいのに時間が無い…。

翳りゆく時間
浅田次郎 選/日本ペンクラブ 編
★★★★★
江國香織、北方謙三、吉田修一、阿刀田高、浅田次郎、山田詠美、三島由紀夫の短編小説集。大人な話で、何度も読み返したくなる本。

檸檬のころ
豊島ミホ
★★★★☆
秋田県雄勝町(現 湯沢市)出身の女性作家による、映画化もされた作品。田舎の進学校"北高"を舞台にした青春もの。映画は観逃したので、いつかレンタルしようと思ってる。同じ青春ものなのに、以下に紹介する【夜のピクニック】とは違って、かなり共感できる。著者との歳の差(恩田陸 '64 宮城/nmf '75 山形/豊島ミホ '82 秋田)と、趣味(檸檬のころには音楽の話がたくさん出てくる♪)によるものと思われる。

モルヒネ
安達千夏
★★★★☆
山形県出身の女性作家。主人公(女性医師)の前に7年ぶりに姿を現した元恋人(ピアニスト)は余命三ヶ月の末期癌で…。淡々とした文章、それでいて"血の温度"を感じさせる作家だと思う。他の著書も読んでみたい。

金閣寺
三島由紀夫
★★★★★
日本語って、本当はこんなに美しいんだ…と、改めて思った。枕元に生涯一冊常備しておくとしたら、これでしょう。

グミ・チョコレート・パイン パイン編
大槻ケンヂ
★★☆☆☆
角川のブックカバー欲しさに、峯田のコメントが帯だったのでつい買ってしまった本。でも、それなりに楽しめた。映画化されて、現在、テアトル新宿で上映中。

アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎
★★★★★
7月に映画も観た。伊坂、最高!

グラスホッパー
伊坂幸太郎
★★★★★
ラストに唸らされた。やっぱり、伊坂、最高!!

チルドレン
伊坂幸太郎
★★★★★
独自の正義感で周囲を自分のペースに引き込む、一見うざい、でも憎めない男"陣内"を中心に起こる事件の数々。笑えて爽快な連作短編集。振り切れんばかりに、伊坂、最高!!!

見知らぬ妻へ
浅田次郎
★★★★☆
次郎ちゃんの短編集。読み始めて、何だか懐かしい。それもそのはず、既読だった。本棚の整理をしていたら、同じ文庫が出てきた…。こういう事態が生じないよう、備忘録としてブログに書いてるはずなのに…。初版が2001年4月だから、一冊目はブログを始める前(ブログ開始は2005年4月)に買ったんだ。うん、きっとそうだ。…にしたって、同じ本をまた買っちゃうこの記憶力って…。

悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記
木村元彦
★★★★★
前にも【オシムの言葉】について書いたけど、木村元彦の本が好きだ。全ての著書を読破したい衝動にかられ、図書館から借りまくり作戦開始。その第一弾。世界には知らないことが多すぎる。それを知らせてくれる"ルポライター"という職業には頭が下がる。自らの足で現地に赴き、自分の目と耳で見聞きしたこと、肌で感じたことを私達に知らせてくれるのだから。

蹴る群れ
木村元彦
★★★★★
【オシムの言葉】よりも前から七年間を費やし、取材した作品。彼のフィールドは東欧やユーゴだけではない。サッカーに関わる人、必読。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実
米原万里
★★★★☆
著者は、共産党員だった父の転勤のため、'60からの約五年間を在プラハ・ソビエト学校で学び、その後、東京外語大、東大を卒業。現在、ロシア語会議通訳、エッセイスト。ソビエト学校時代の旧友の話を三つ、まとめた作品。共産主義って縁のない存在で、知らないがために誤認識してたとこもある。根本は同じ"人間"の考え出した思想なのだからと、"未知ゆえの恐れ"みたいなものを払拭してくれた作品。面白かった。

夜のピクニック
恩田陸
★☆☆☆☆
友人に借りて読んだ文庫。確か映画化されたけど観てない。青い。これを読む(そして何かしら、心を動かされる)には私は歳をとりすぎたのか?かといって、あの頃(高校時代)に戻りたい…なんてこともさっぱり思わない。枯れてる?(笑)

一度も植民地になったことがない日本
デュラン・れい子
★★★☆☆
タイトルだけ見ると難しい戦後史か何かかと思うが、パリにお住まいの日本人マダムが書いた「ヨーロッパ人ってこうなのよ。日本人に対するイメージはこうなのよ」っていうエッセイ。

世界の日本人ジョーク集
早坂隆
★★★☆☆
「われわれは、世界中でこんなネタになっている」との帯がついた新書。著者紹介を見ると、1973年生まれのルポライターで、ルーマニアやイラクを題材にした著書が多い。木村元彦のオシムやピクシーに関する本を読んで、戦地=暗いイメージの東欧にこそユーモアがあるものと知ったので、単に"世界中を巡った人"ではなく、"ルーマニアやイラクで取材した人"が書いた本ならばと購入。

「狂い」のすすめ
ひろさちや
★★★☆☆
狂っていいの?!仏教の教えが肯定してくれちゃう訳?!と思って買った新書。言ってること(多分、お釈迦様とか昔の偉いお坊さんが)には同意できるが、文体が口語的なのが気に食わない。講演会でのスピーチを明文化したものなのか?説教されてるみたいで癪に障るんで、途中から語尾を無視して読み進めた。

カミブログ
吉井和哉
★★★★☆
【CDでーた】に連載していた【吉井和哉 今月の格言】の書籍化としてはハードカバーの【蜜色の手紙】があるが、これは、その文庫版。最近の吉井自身が読み直してコメントしている点が面白い。当時と現在、嘘と方便。

失われた愛を求めて―吉井和哉自伝
吉井和哉
★★★★★
別記事にも書いたけど、店頭に並んだ直後購入し、読みかけの本そっちのけで、数時間で読破。まさに「赤裸々Go!Go!Go!」

中の精神
呉清源
★★★★☆
映画【呉清源―極みの棋譜】の原作。とても良い映画だったので、図書館で借りて読んだ。こんなすごい人生を歩んだ人が、未だ小田原に住んでるなんて驚き。

本の読み方―スロー・リーディングの実践
平野啓一郎
★★☆☆☆
本屋に立ち寄るたび「読みたい本がありすぎる…人生足りない!」と思っている。そんな生き急ぎならぬ"読み急ぎ"気味な私にまったをかけた新書。



他にも読んだ本(特に、図書館から借りた本や、友人に貸し出し中の本)があった気がするので、思い出したら追記します。


人気blogランキングへ

posted by nmf at 18:36 | ☔ | Comment(2) | TrackBack(0) |

2007年12月22日

seek for lost love

yoshii_jiden.JPG

吉井和哉の自伝【失われた愛を求めて】が出ました。

Amazonでは12/22発売となっていましたが、HPでは12/25となっていたので、まだ出てないかな?と期待半分で書店に行ってみたら、ちょうど店員さんが並べているところでした。まるでスーパーのタイムサービスで値下げ札が順に貼られるのを待つかのように身構え、書棚に並べられるとすぐにお買い上げしてきました。

表紙は赤ちゃんの吉井がお母さんにだっこされている白黒写真で、撮影は亡くなったお父さん。

夕方から読み始めて、さっき読み終えました。その間、350のヱビス1缶…かなり集中してました。

読後、これまで抱いていたもやもや感が(ピーカンとまではいかないけれど)晴れた気がします。

113本のツアー後半、広島での出来事が壮絶すぎます。あんなことあったら解散するわ。バンドやめたけど人生やめずにすんでよかった。

久しぶりに映画【シド&ナンシー】を観たくなりました。

その前に、【BUNCHED BIRTH】から全部聴き直そう。うん、そうしよう♪

人気blogランキングへ

posted by nmf at 22:35 | 🌁 | Comment(5) | TrackBack(0) |

2007年06月13日

DMC vs. UMI/MTH/ROLLY

満を持して、報告してしまいましょう。

【デトロイト・メタル・シティ】

略して、DMC

稲中以来です、こんな漫画。ゴールデンウィーク中にタワレコ渋谷店で開催していたコラボTシャツ展まで足を運んでしまいました!以下、三姉妹でゲットしたTシャツです。遠方に住まう姉上には、妹達の独断と偏見でハチクロ作者を選択し、地方発送致しました(笑)

1. 姉 ... 羽海野チカ
DMC_UMI.jpg

2. 私 ... マキシマムザ亮君
DMC_MTH.jpg

3. 妹 ... ROLLY
DMC_ROLLY.jpg

他にも、木村カエラ、PUFFY, 銀杏BOYZ等ロック(?)な面々から、カジヒデキやカヒミ・カリィ等の癒し系、MEGUIMIや小倉優子等のグラビアアイドルまで、様々な分野からコラボTシャツが出展されていて面白かった。そういえば、V6のTV番組にゲスト出演した長澤まさみが、自宅の写真公開♪みたいな、ありがちな(っつうか興味ない人の場合どうでもいい)コーナーで、今はまってる漫画ですって言ってDMCの写真を披露してた。沢尻エリカ派の私ですが、これで長澤まさみの好感度、上がった(笑)

DMCは、現在、コミックが3巻まで出ています:

デトロイト・メタル・シティ #1
デトロイト・メタル・シティ #2
デトロイト・メタル・シティ #3

DMCの公式HPは、こちら


人気blogランキングへ

posted by nmf at 19:59 | ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) |

2007年01月06日

読んだ本 2006

記事にできなかった分を備忘録としてリストで載せておきます。星5つを満点として簡単に採点だけしてみました。興味があったらリンク(Amazon)に飛んで、あらすじや口コミを見てみてね♪

【本】星宿海への道
★★★☆☆
【本】エコノミカル・パレス
☆☆☆☆☆
【本】オーデュボンの祈り
★★★★★
【本】親日派のための弁明
★★★★☆
【本】ぼくのプレミア・ライフ
★★★★★
【本】号泣する準備はできていた
★☆☆☆☆
【本】中田語録
★★☆☆☆
【本】図書室の海
★★☆☆☆
【本】約束の冬
★★★★☆

他にも読んだ本があった気がするので、思い出したら追記します。


人気blogランキングへ

posted by nmf at 16:11 | ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) |

2006年10月30日

たのしい中央線3

tanochu3.jpgたのしい中央線3

たのチュウの第3弾が出た!出た当日に買ってしまった。たのチュウ2をゲットした、あおい書店まで行こうと思ってたけど、仕事でちょっと遅くなっちゃって間に合わなそうな時間…。場所柄、「どうせ半導体の本しか置いてないんでしょ」って、いつもは立ち寄らない会社の最寄り書店に行ってみたけど、やっぱり無い…。でも、あきらめきれず、店員さんに聞いてみることにした。会社の人に見られたく(聞かれたく)ないから、細心の注意を払って。

nmf小さな声で「今日発売の【たのしい中央線】って置いてませんか?」

店員さん大きな声で「【たのしい中央線】ですか?」

nmf心の声「【たのしい中央線】って大きな声で繰り返さないでよ、恥ずかしいから。でも、もうこうなったら開き直るしかあるまい」

nmf「はい。【たのしい中央線3】たのチュウのスリーです!」

店員さん「ああ。くすっ。あの角にありますよ」

「くすっ(苦笑)」は余計なんだよ!(怒)さっさと出しやがれ!見つけられなかった私が悪いんだけどさ。(笑)

で、早速購入して電車の中でパラ見したら、読者のおたよりコーナーに見覚えのあるアルファベット3文字が…。

校正がなってない。誤字・脱字が多い。(神奈川県・nmf)


超・受ける!

これ、私がたのチュウ2の読者ハガキに書いて送った内容じゃん!!

しかも、たのチュウを銀杏目当てで買い、銀杏以外の記事が超面白くてたのチュウ2を買い、ついに、たのチュウ3に、ホルモン登場!!!マキシマムザ亮君が寄稿してる!

これも、私がたのチュウ2の読者ハガキに書いて送った内容が採用されたってことじゃん!!

何、この、"共に作り上げてます"的grooveは?!(笑)

よく、本やCDにアンケートを書いて投函するハガキがついてるけど、甚く気に入った本やCDの製作者には、どんな拙い言葉でも、50円切手自腹でも、自分の感じたことを伝えたくなるんだ。だって、逆の立場(自分が製作者や表現者の側)だったら、どんな風に伝わったのか、気になるでしょ?

で、たのチュウ2にもハガキを出した訳。感想として、銀杏以外の記事も良かったよ、とか、内容が良いだけに誤字・脱字が目立って残念、とか。これから取り扱って欲しいこととして、中央線沿線って言えば八王子もそうじゃん?だったら、恋の街・八王子からタンポポの綿毛に乗って(乗れるか!上ちゃん(Ba.)以外、全員デブなのに!笑)ライブにやってくるマキシマムザホルモンってバンドがいるから、取り上げて頂戴、って書いたんだ。

そうしたら、おたよりコーナーに、上述した内容だけが記載されちゃった訳。何が憎めないって、それに対する編集部からのお返事。

これは厳しいご意見。すいません(×1億回)。以後は編集部一同(2名)気をつけます。これからも温かく見守ってくださいネ。テヘッ(舌をペロっと出して)。


(笑)こりゃ、温かく見守るしかないっしょ。

でも、今回もたくさん誤字脱字あったなぁ。スタッフ2人じゃ仕方がないか…って思う半面、やっぱり活字で収入を得ているんだから、きちんとして欲しいな。内容が面白いだけにね。

今回の、たのチュウ3で面白かった記事は、もちろん、亮君の文章と、リリー・フランキーの【今日の中トラ】=中央線トラディショナル。それと、増子直純の【ラーメンと中央線】と、久住昌之の【今日の中華そば「江ぐち」と、中央線の未来】と、やまだないとの【西荻とパリと漫画と私】

本当に面白くてオススメだよ。次は来年の春だって。待てない♪


人気blogランキングへ

posted by nmf at 21:43 | ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) |

2006年10月26日

オシムの言葉

読みかけだったけれど、重くてUS出張に持って行けなかった本というのが、木村元彦(きむらゆきひこ)の【オシムの言葉〜フィールドの向こうに人生が見える】なんだ。ハードカバーという物理的な重さ(持ち運びの不便さ)もあったけれど、内容が旅のお供にするには「軽く」ないんだ。

木村元彦の文章は以前から好きで、ピクシーのことを書いた【誇り〜ドラガン・ストイコビッチの軌跡】―自分で買ったんじゃないけど、未だ家にある!―も読んだし、スカパーの携帯サイトで連載しているコラム【地球を一蹴】も読んでる。題材がピクシーやオシムだからって、軽薄なアイドル本や便乗本を想像したらダメだよ。硬派で、地道な取材とインタビューの対象者から信頼されているからこその、真実の言葉にあふれている。

そんな訳でベストセラーは頷ける。世間の評価と同様、nmfんちでも回し読みが始まったよ。姉→私(nmf)→おとん→妹の順番で、現在、おとん所有。関係ないけど、直近の回し読み本は次郎ちゃんの【蒼穹の昴】で、おとん→妹→私→姉の順番だった。笑えるのが、おとんが「これ、読め」の言いだしっぺなくせに実物を貸してくれたんじゃなく―おとんは市の図書館から借りて読んだ―妹がヤフオクで競り落としたんだよね。しかも勤務時間中に!(笑)

スカパーでの木村元彦のコラムは、前はPCから見れたんだけど、10月1日から携帯オンリーになったみたい。携帯から「k@skyp.tv」に空メールを送るとアクセス可能になるらしい。興味のある方、どうぞ!

Osim_no_Kotoba.jpgオシムの言葉〜フィールドの向こうに人生が見える

Hokori.jpg誇り〜ドラガン・ストイコビッチの奇跡


人気blogランキングへ

posted by nmf at 21:20 | ☁ | Comment(3) | TrackBack(1) |

2006年10月10日

日輪の遺産

帰国して2夜連続、英語で夢を見た。英語"の"ではなく、英語"で"。US滞在中、British Englishがどうしても聞き取れなくて、その呪縛から未だ解放されていないようだ。夢の出演者はUKの人ばかりだった。うなされてはいないと思うけれど、深夜2:00頃に決まって目が覚め、汗だくだった。それから眠れなくなって読書タイム。

読みかけの本はあったけれど、持ち運びの便利さから、新しい文庫本を持っていくことにした。読み始めたのは出国の日、成田空港のゲートで搭乗を待つとき。成田〜サンノゼは行きが約9時間、帰りが約11時間なので、計521ページのこの小説は十分に足りるだろうと思っていた。行きの飛行機では映画を2本と睡眠と読書。US滞在中は、枕元に置いてはいたものの、一度も開かなかった。まさにバタンキュウ状態だった。帰りの飛行機は、隣り合わせたインド人(Hから始まるInspire the Next!な日本企業の社員)が超おしゃべりで、映画は1本も見ず、睡眠は約2時間、読書もせずにしゃべり通した。サンノゼ在住の彼はインド人独特ではない綺麗な発音で、話の内容も面白かったし、礼儀正しかった―通路側の私に対し、窓側の彼は、トイレに立つことで迷惑をかけてしまうこと、そして、話がつまらなくて睡眠の邪魔をするようであれば遠慮なく言ってほしいことを事前に告げていた―ので、ついつい話し込んでしまった。秋葉原への行き方や東海道新幹線について、「ありがとうございました」と「おはようございます」に比べて「さよなら」は何故こんなに短いのか?など、観光チックな内容から、インドのカースト制度や日本女性の晩婚化、日本の国際空港(成田)が何故こんなに都心から遠いのか?など、小難しい問題まで、いろんなことを話した。日本企業に勤める彼は入社時に日本の文化を教え込まれたと言うとおり、日本事情に詳しいし、興味津々だった。言葉の問題もあるけれど、普通に答えられない(わからない)質問もあったりして、正直参った。

嗚呼、私は自分の育った国のことを何もわかっていない…。

そして、帰国後、英語で見た夢に起こされ、眠れなくなった時間を使って、読みかけの【日輪の遺産】の続きを読み進めた。

ダグラス・マッカーサーは、言う。

「私が屈服させたのは、ほんの一瞬この国を支配した軍閥とおろかな政治家どもだ。そんなものはこの国の一部でしかない。日本を太古の自然が造り出したダイアモンドだとするなら、われわれは石炭だ。たしかに良く燃える。だが、われわれが焼きつくしたものは、ダイアモンドをつかのま包んでいた、価値のないパッケージにすぎない」

「要するに、彼らの精神は完成されている。ダイアモンドのように硬く、もはや変えようも変わりようもないのだ。いいか、カミカゼもハラキリも、決して思いつきの愚行ではないのだぞ。彼らの完成された精神が、例えばダイアモンドの天然の輝きのように、そうした行動をとらせるのだ。私は彼らを怖れている。あのリベラルでグローバルなゼネラル・タナカが、いとも簡単に彼自身の知識や才能や人格を投げ捨てて、死んでしまったのだ。たとえ合衆国が敗れても、私は死ぬまい。命を捨てるに足る理由がないのだから。しかし、タナカは死んだ。日本の精神は個人の意思など入り込む余地のないほど、硬く、緊密に、不変に完成している」

長い引用になってしまったけれど、決して、カミカゼ・ハラキリを万歳と思っている訳ではない。2月に死んだおじいちゃんも戦争に行った。詳しくは知らないけれど、満州に行ったと言っていた。どんな気持ちで行っていたのかな。こういう精神で過ごしていたのかな…。

知らないことが多すぎる。

Nichirin_no_isan.jpg日輪の遺産


人気blogランキングへ

posted by nmf at 21:07 | ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) |

2006年05月14日

たのしい中央線(2)

tano-chu-2.jpgたのしい中央線(2)

太田出版からサブカル本【たのしい中央線】の続編。
パート1を買うときは、少し苦労した。海のものとも山のものともわからないサブカル本を買うのが何となくためらわれて(銀杏ファンをカモにしたしょうもない本だったら嫌だなって思ってた)、自称・テツ(鉄道マニア)の妹に「中央線関連の興味深い本が出たよ」と言いくるめ、買わせようとしたが、「これって電車って言うより、銀杏じゃん!」と簡単に見破られ、あえなく敗北。近所の本屋さんに予約したんだ。(そのときの様子は、こちら)

パート2は、川崎の【あおい書店】(売り場面積1,000坪!)で難なくゲット。銀杏以外の記事も面白いことはパート1で体験済みだったので、嬉々として読み進めた。

パート2の巻頭特集は"ムサビ"。ハチクロの舞台と言われている武蔵野美術大学だ。美大なんて縁のない存在だから、ムサビのキャンパスや現役学生、そして、みうらじゅん、ケンタロウ、城戸真亜子等の卒業生の話に、知らない世界をまた一つ知った感があって、面白かった。

もちろん、銀杏の記事もすごく面白かった!

1. 山崎裕子〔中央線沿線某駅出身・タレント〕×村井守〔銀杏 Dr.〕の【中央線デート提案】
2. 安彦麻理絵〔山形県新庄市(!)出身・漫画家〕×安孫子真哉〔銀杏 Ba.〕の【Wアビコまんずまんず対談】
3. チン中村〔銀杏 Gu.〕の【東小金井ゲストハウス訪問】
4. 友部正人×峯田和伸〔銀杏 Vo.〕の【阿佐ヶ谷散歩対談】

チンくんだけ対談じゃなくて身体を張った企画ってところが、また笑える。

それと、浅草キッドの【中央線ものがたり】も良かった。博士は、たけし軍団の話や、お笑いに対する現在とこれからの自身の話を、玉さんは、生まれ故郷・新宿(!)で、どんな幼少時代を過ごしたか(そのハチャメチャっぷりがすごい!)を語っている。

麿赤兒〔ダンサー・役者・演出家〕の【中央線は永遠と過去へと通じ、また未来へも通じる】も、興味深かった。美大と同様、アングラな演劇の世界は私にとって未知なるものだ。5月7日放送の【情熱大陸】は、麿赤兒と共に日本の前衛藝術を作り上げてきた、唐十郎だった。そのVTRの中で、息子・大鶴義丹が、テレビや映画など多くの視聴者をターゲットにした舞台を活動の場としている自身を"K-1"や"PRIDE"に例えるならば、地方を回り、野外に赤テントを張って公演する唐十郎らを"少林寺拳法"だと言っていた。なるほど、と思った。

他にも、曽我部恵一が愛娘・ハルコちゃんと吉祥寺を巡ったりしてる。

たのチュー、何気に面白い!パート3にも期待♪


人気blogランキングへ

posted by nmf at 01:50 | ☁ | Comment(4) | TrackBack(2) |

2006年04月16日

祖国とは国語

ブログ放置期間中にも、いくつかの本を読み、映画を観た。そもそも、このブログを始めたきっかけは、読んだ本、観た映画の感想を書き留めておこうと思ったのだった。…ということで、溜まった感想文を少しずつアップしていこうと思う。(多分、全部は無理だけど…)

書店で「話題の本」として並べられていた【祖国とは国語】を読んだ。この本は、数学者・藤原正彦が書いたもので、以下の3つの作品が掲載されている。

1. 国語教育絶対論
2. いじわるにも程がある
3. 満州再訪記

1.が本のタイトル【祖国とは国語】に関わる文章で、2.は著者の家族内での数学・科学についての会話にちなんだエピソード集、3.は著者の出生の地・満州を家族とともに訪れた際のエッセイ。

数学者が国語について語る、という点に惹かれて手にしたのだが、読んで正解だった。数学の世界での"真偽"は、True(100%) or False(0%)で、あいまいな部分がない。しかし、現実世界では、あいまい(グレー)なことばかり。数学の世界で白黒はっきりしているのは、"定理"があって、それを出発点にしているから。では、グレーな現実世界で出発点とすべきは何か?それを著者は"情緒"としているところが、すごい。現実世界で物事を主張したり、誰かを説得するとき、この"情緒"を出発点とし、言葉で、語彙や表現を駆使して、論理的に進めなければいけない。日本人にとって、言葉、語彙、表現、論理的思考を育むのは他ならぬ"国語"なので、昨今の英語教育の優先や、ゆとり教育、産学協同などは、現代の国際社会において日本の国力を弱体化させていく原因になりうる、と言う。

この本を読み終えて数日後、中央教育審議会が小学校高学年での英語必修化を提言した。そして、石原都知事が吠えた。

「日本人がものごとを考えるのは、やっぱり日本語で考えざるをえない。日本語のもたらす語感、日本人独特の感性、情緒を皆さんが持たなければいけない」

「ナショナル(国家的)がないものは決してインターナショナル(国際的)になるわけがない」


なるほど。この本を読む前は、「英語必修?いいんじゃない、脳が若いときに始めた方が身につくって言うし」とか、「石原、また吠えてるよ」くらいに思ってただろうけど、今は違う。やっぱり、国語は大事だ。私が今、後悔してるのは、小・中・高校の頃に、もっと本を読んでおけば良かったってこと。本には、"読むべき時期"って必ずあると思う。そのときの感受性で読み返すことは決してできないから。

国語は大切。

Sokoku_toha_Kokugo.jpg祖国とは国語


人気blogランキングへ

posted by nmf at 20:03 | ☔ | Comment(3) | TrackBack(3) |

2006年01月21日

花まんま

2005年上半期の直木賞受賞作、朱川湊人の【花まんま】を読んだ。

妹が会社の後輩から借りてきて、読後、宮本輝が好きな私に合うだろうって、貸してくれたんだ。

朱川湊人については何の前情報も持っていなかった。ニュースで【花まんま】というタイトルは聞いたことがある程度で読み始めた。真夜中に。…これが間違っていたようだ。

私は寝る体勢(部屋の明かりを消し、ベッドの照明だけを点灯する)を整えて、本を開いた。初めて読む作家の本だし、面白くなかったらそのまま寝ちゃえるように、だ。この本は短編集で、当然、最初に収録されている【トカビの夜】から読み始めたのだけど、…恐い!恐いんだよ!

でも、面白いから読み進めていたんだ。でも、やっぱり恐い!そして、こんなときに限って、トイレに行きたくなってきた。いつもはどんなにビールをがぶ飲みしても、寝る前に済ませれば夜中に行くことなんてないのに…。嗚呼、どうしよう。だって、窓からトカビ(私の中ではトカビ=呪怨に出てくる白塗りの少年)が見えたらどうするの?!

って、思っていたらメールの着信音が!

かなり、驚いた。多分、「ひょぇ」とか、文字に表しにくい声を発したと思う。不意に鳴ったというのもあるけど、先日、携帯を変えたばかりの私は、まだ新しい機種の着信音に慣れていないこともあって、ニュース速報みたいな音が急に枕元で鳴って、本当にびっくりしたんだ。

読書を中断してメールをやり取りしてると、どうにか決心がついて、足早にトイレに駆け込み、窓を見ないようにして、さっさとベッドに戻ってこれた。

私はホラーが好きじゃない。得意じゃない。だから、朝起きたら、この本を薦めた妹をとっちめてやろうと思った。でも、【トカビの夜】を読み終えて納得したんだ、妹が私に薦めた理由を。だから、次の日からは、日中(朝の通勤電車内か昼休み)に読むことにした。

全6作品とも、大阪の下町に育った子供が主人公で、大人になった主人公が少年(少女)期を振り返るという形で書かれている。そして、私が恐れていたホラーな部分は、全作品に必ずあるにはあるけれど、それが核じゃないんだ。【摩訶不思議】に良く表現されているように、ホラー現象そのものよりも、その周囲の人間関係(人情や表情)が巧く描かれているんだ。そして、受賞作の【花まんま】には泣いてしまった…。

兄貴というものは、たぶん世界で一番損な役回り―


感慨深いフレーズだ。

ひと昔前の大阪の子供の感情を書かせたら、宮本輝の右に出る者はいないと思っていたけど、朱川湊人も素晴らしい。人の表情だけでなく、自然の色彩を綺麗に描写するセンスもあって、まさに白黒の活字以上のものを吸収したような気分だった。

他の作品も読んでみようと思う。そして、もし、私と同じようにホラーが嫌いでこの作品を敬遠してる人がいたら、「びびってないで、読め!」と言っちゃいたいくらい、良い本だった。Hちゃん、ありがとう♪

4163238409.01._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg花まんま

<収録作>
1. トカビの夜
2. 妖精生物
3. 摩訶不思議
4. 花まんま
5. 送りん婆
6. 凍蝶


人気blogランキングへ

posted by nmf at 21:30 | ☁ | Comment(2) | TrackBack(1) |

2005年11月22日

たそがれ清兵衛

藤沢周平の【たそがれ清兵衛】を、ようやく読んだ!
同じ周平ちゃんの【橋ものがたり】をSくんに借りたあの夏の日から3ヶ月。
こんなに借りっぱなしで、図書館なら催促の電話が何回来ることやら。

実は、映画の方を先に観てしまっていたので、薦められてもなかなか読む気になれなかったんだ。
逆も言えることで、原作が良かったら、映画はなかなか観る気になれない。
だから、宮本輝の【優駿】なんか、多分一生、映画は観ないと思う。

さて、映画から【たそがれ清兵衛】の世界に入った訳だけど、原作を読むと、微妙に話が違うなって思ってたら、映画の【たそがれ清兵衛】は、小説の【たそがれ清兵衛】と【竹光始末】と【祝い人助八】の3作品をミックスした形で構想されてるんだって。

この2,300万部売れたという文庫本は、以下の8つの話を収録した短編集。

1. たそがれ清兵衛
2. うらなり与右衛門
3. ごますり甚内
4. ど忘れ万六
5. だんまり弥助
6. かが泣き半兵
7. 日和見与次郎
8. 祝い人助八

タイトルが全て、[人の癖や、なりを揶揄する形容詞] + [固有名詞(人名)]からなる。
つまりはそんなあだ名を付けられた、一見冴えないけれど、実は剣の達人な男の話なんだ。

一度でも藤沢周平の作品を読んだことがあれば、そのセオリー”実はこの男、相当強い”ということがわかっていて読み進めていくのだけれど、周平ちゃんの好きなところは、出てくる女性もとても潔く描かれていて、男女合わせて武士道!と思わせてくれるところなんだ。

これは、男まさりの女の人が出てくるということじゃないよ。

どちらかというと、本来であれば妻が夫を支えなければいけない時代にあって、病気を患ったことにより、逆に旦那さんに看病してもらっているような病弱な奥さんが出てきたりするところが、ぐっと心を掴むんだ。
もちろん、周りはそんな状況を良しとしないから、「またあいつは残業もせず、飲みにも付き合わず、妻の看病か!」と思う訳。
それでも本人は構わないんだよ、周りにどう思われようと。

他にも、父の代での不本意なお咎めのために石を減らされた家を、虫かご作りの内職をしつつ何とか維持している男とか、つい、「しょぼっ!」って言いたくなるような男たちが主人公なんだ。

でも、絶対しょぼいままでは終わらない。
何故って、剣の腕があるから。
そして、成功を収めたとしても、身分相応の要求しかしない。
例えば、今まで病弱な妻を藪医者にしか診せられなかったのだが、藩の重臣の家に仕える名医に診てもらうとか、父の代で失った家禄を元に戻してもらうとか、要求のレベルがせいぜい”元通り”であって、決して高望みしないんだ。藩存続の危機を救ったというのに、だよ?!

くぅっ!かっこいい!!

こんな人物を書けるのは、周平ちゃんが山形県人だから(同郷の自慢♪)か、若くして結核を患ったからか。
いずれにせよ、心洗われる、自分の背中が猫背になっていないかどうか意識させられちゃう、そんな話だよ。

余談だが、この短編集の最後の話、【祝い人助八】の”祝い人”を何て読むか、わかる?
答えは、”ほいと”
これは山形の方言で、私の地元では濁音付きで”ほいど”と言う。
この話の冒頭は、この言葉の説明から始まる。

祝い人は物乞いのことだ。しかし伊部助八がほいと助八とか、ほいとの伊部とか、人に陰口を利かれるようになったのはむろん物乞いをして回ったからではなく、もっぱら身なりの穢さ(きたなさ)が原因である。


まさにそんな意味で、あまり使ってはいけない言葉だ。
でも、まさか、小さな頃から知っているマイナスイメージを持ったこの言葉が、漢字で書くと”祝い人”だったとは…驚いた。
何故、この漢字を当てるのかまでは未だわからないんだけど、機会があれば調べてみたいと思う。

tasogare_seibei_book.jpgたそがれ清兵衛

tasogare_seibei_dvd.jpgたそがれ清兵衛

映画【たそがれ清兵衛】の公式ページは、こちら



人気blogランキングへ

posted by nmf at 23:51 | ☔ | Comment(6) | TrackBack(0) |

2005年08月28日

海辺の扉

宮本輝の【海辺の扉】を読んだ。

輝の本は、ほとんど全作品読んでいる。エッセイで何冊か読んでないのがあるかも?という程度。それくらい好きな作家だ。

電車の中刷りで、文春文庫の新刊案内に、この【海辺の扉】が掲載されていた。「読んでない!」と思い、即購入。でも、実は、単行本(角川書店)が1991年に、文庫版が1992年(角川文庫)、1994年(中公文庫)に発行済みだったようだ。オーマイガッ!チェック漏れだったぁ。でも、これで数日間、輝の世界に行ける!上下巻だし♪と、喜々として読み始めた。

内容は、2歳の息子を殺してしまった男・満典の話。でも、実際は、殺人というよりも事故。食卓で、レタスを嫌がる息子に無理矢理食べさせ、「ぺっ」と吐き出した息子を「ぺちっ」と頬を叩いたら、息子が子ども椅子から転落し、運悪く下に置いてあったおもちゃ箱の角に頭をぶつけて亡くなってしまったのだ。しかし、裁判の判決は過失致死罪。満典は、会社を辞めさせられ、妻に離婚させられ、傷心のまま、ギリシャに行く。

ギリシャでの生活は、危うい。定職のない満典は、市民権を得るためだけに、ギリシャ人のエフィーと結婚する。もちろん、そんな目論見や、自身の過去、定職がなく、怪しげな【つなぎ屋】を生業としていることさえも秘密で…

輝の作品らしく、登場人物が個性豊かで感情移入しやすい。ただ、主人公の満典とその元妻・琴美の気持ちは、彼らの負った傷が傷だけに、そう簡単に察することができない。その分、満典の友だちや、エフィーの家族の存在が救いになる。

輝の最近の作品(例えば【オレンジの壺】など)には、宗教や政治の話が多く、河・三部作のようなドラマを求める読み手には少々つらい感がある。特に、キリスト教やイスラム教の話は日本人には、とっつきにくい。仏教でさえ難解だ。だから、お釈迦様の弟子・提婆達多(だいばだった)の話を、満典の友だちである寿司屋の徳さんの小学校時代の恩師(女教師)が語ってくれたのは助かった。さすが、小学校の先生、わかりやすい!

小学校の先生つながりで印象に残ったエピソードを引用すると、エフィーの兄・クレオの小学校時代の担任は、ギリシャの遺跡に関する専門家だった。その先生の言葉―

遺跡を調べるのは、歴史を掘り起こすことだが、じつは、愚かな人間どもにも、ひとつくらいはいいところがあるってことを確認する作業だ。


つまり、戦争を起こして、せっかく作った街や国を壊してきただけではない。死を恐れ、不老不死を求め、より良く生きるために、何千年も前の人間がいろんな知恵を生み出してきたことを知ることができる、ということ。

なるほど…。外国の遺跡は見たことがないけど、今度見る機会があったら、この言葉を思い出そうと思った。

umibe_no_tobira1.jpg海辺の扉<上>

umibe_no_tobira2.jpg海辺の扉<下>


人気blogランキングへ

posted by nmf at 23:24 | ☀ | Comment(3) | TrackBack(2) |

2005年08月21日

橋ものがたり

藤沢周平の【橋ものがたり】を読んだ。

フットサル仲間のSくんが「これいいっすよ」って貸してくれた。周平ちゃんと来たか!またしても渋いぜ!ちなみに以前、紹介してもらったのは、山本周五郎の【一人ならじ】。これも良い本だった。

橋ものがたり】は、江戸時代の町人の生活や恋愛を描いた市井もので、【橋】を舞台にした話を集めた短編集。当時の【橋】は現代の【駅】に相当するようなランドマークで、多くの人が往来し、待ち合わせしたり…と、庶民の生活が反映される存在だった。

本を読むとき、はまればはまるほど、ものすごい集中力で読み進めるのだけれど、【橋ものがたり】は、1話を読み終えた後の余韻をとても大事にしたくなるような作品だ。だから、帰省(新幹線に長時間乗る)という絶好の読書チャンスがあったのだけど、いつもよりゆったりと読み進めた。1話読み終えて、いったん本を閉じ、茶を飲んで、たまに寝て、また1話読んで…という風に。

特に、5番目に収録されている【小さな橋で】の終わり方、終わりの一文が最高で、「くぅ〜」って唸っちゃった。小さな男の子が主人公で、親父が家を出て行って、母と姉の3人暮らし。母は生活のため夜の仕事をしていて、姉は昼間に米屋へ通い勤めをしている。男の子は、夕飯の支度をすると、姉を米屋まで迎えに行くのが日課。なぜ、16歳にもなる姉を10歳の弟が迎えに?それは、姉が良からぬ男(妻子持ち)と恋仲になってしまい、世間体を気にした母親が弟を見張り役にしたのだ。遊びたい盛りの男の子が、「暗くなってきたけど、まだもうちょっと遊べる!」っていう一日の中で一番楽しい夕暮れ時に、炊事して、その後、姉を迎えに行く…おとんが出て行った今、一家を支える男は俺だけなんだって、小さいながらも思ってるんだ!

こんな風に、心にきゅんとくるような、それでいて、恩着せがましく泣かせるだけの浪花節ではない、さっぱりとしていて、ほろりとくるような、良い作品集♪

収録されている全10話は、以下の通り。

1. 約束
2. 小ぬか雨
3. 思い違い
4. 赤い夕日
5. 小さな橋で
6. 氷雨降る
7. 殺すな
8. まぼろしの橋
9. 吹く風は秋
10. 川霧

特筆すべきは、この短編集(新潮文庫)の解説として、井上ひさしの文章が掲載されていること。解説というより、一つの随筆のよう。(実際、昭和55年の【週刊文春】に発表された【アンソロジーは中継駅】の全文を再録したものだそう)一つの本で2大作家の文章が読めて、超お得な気分♪


人気blogランキングへ

posted by nmf at 23:21 | ☁ | Comment(5) | TrackBack(2) |

2005年08月12日

凍える牙

乃南アサの【凍える牙】を読んだ。

先日【パラダイス・サーティー】を読んだときに、おすすめコメントをいただいたので。

もともと、読書に謎解きのようなものを求めない私は、ほとんどこの類を読まないので、他の作品と比較できないのだが、ミステリーと謳われている割には、何か物足りなさが残った。

主人公は女性刑事の音道。事件は深夜のファミレスで一人の男が炎上するところから始まる。

捜査本部が設置され、音道は古参デカ・滝沢とタッグを組むことになる。
音道と滝沢は、お互いに牽制しあい、団結して捜査どころではない。
警察=男社会で「これだから女は…」と言われないように、必死に頑張る音道。
一方、滝沢は見た目も行動もおっさんデカそのもので、まさに「女のくせに…」という考えの持ち主。
ぎくしゃくしたまま、関連する事件は次々と起こる。

炎上した男の昔の遊び仲間が、大都会・東京で、得体の知れぬ大きな獣に噛み殺される。
その獣とは、野生の狼と犬を掛け合わせた体長160cmのウルフドッグ=オオカミ犬だ。

オオカミ犬による殺人は引き続き発生する。
しかも、炎上男に関連する者に対してのみ。

誰が飼っているのか?
誰が調教したのか?
どこに潜伏しているのか?

オオカミ犬が発見されると、トカゲ=機動捜査隊の音道が追跡する。
滝沢には伏せられていたが、実は音道は白バイのエキスパートだったのだ。

オオカミ犬を追って東京中の高速道路をバイクで走り続ける音道。
その後ろからパトカーに乗った滝沢が援護する…

この場面がクライマックスで、音道と滝沢の関係が自然と打ち解ける場面でもある。

そして、孤高なオオカミ犬の最期には、音道とともに、ほろりとしてしまった。

ミステリーは終わりが肝心だと思う。
事件が解決してしまったとたんに、読み手のモチベーションは下がる。
この作品では、エピローグ的な扱いで、犯人と関係者、その動機などが語られるのだが、そのネタばらしが意表をついていないと、薄い印象のまま終わってしまう。
そういう意味でも、犯人の動機にはもう少しひねりがほしかった。

でも、音道&滝沢の互いに対する気持ちが巧く書かれていて、とても感情移入しやすかった。
前回読んだ【パラダイス・サーティー】よりも数倍おもしろかった。

kogoeru_kiba.jpg凍える牙

人気blogランキングへ

posted by nmf at 17:12 | ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) |

2005年07月18日

ラッシュライフ

伊坂幸太郎の【ラッシュライフ】を読んだ。

手に取ったきっかけは、帯の宣伝文句【一気読みまちがいなしの傑作】に惹かれて。
一気読みはできなかったんだけど、かなりおもしろかった。

読み進めていて「クエンティン・タランティーノの【パルプ・フィクション】みたいだな」って思ってたら、巻末の池上冬樹氏による解説にもそう書かれていた。

複数の登場人物の、それぞれの物語が、はじめは別々に語られ、徐々に交錯していく―という手法(群像劇)。具体的には、

1. リストラされ、再就職面接にことごとく連敗中の中年・豊田
2. 父が自殺し、新興宗教の教祖を心のよりどころとする青年・河原崎
3. 空き巣に入ったら、盗品メモを残していくプロの泥棒・黒澤
4. 互いの配偶者を殺そうと企てる精神科医・京子とサッカー選手・青山
5. 「金で買えないものはない」が信条の成金画商・戸田と新鋭美人画家・志奈子

の物語が別々に展開されていて、実は…というような流れ。上述したのは、物語の登場順ではなく、登場人物に対する私の傾倒した順。

1.には、豊田とともに行動する小汚い柴犬や、豊田にリストラを言い渡した年下の上司、リストラを免れたはずの豊田の同期、リストラをやり遂げ、昇進した上司を好ましく思わない豊田の部下なども絡んできて、会社ってなんだ?再就職ってなんだ?と考えさせられる。

2.には、教祖・高橋はカリスマらしく少しだけの登場で、代わりに幹部の塚本が絡んでくる。父の自殺がトラウマの河原崎に対する塚本の言動が、ある事件をきっかけに豹変する場面は、本当に恐ろしく、憎らしい。

3.の黒澤は、ひょんなところで学生時代の旧友に会い、30代半ばで人生の敗北を感じている旧友に、プロの泥棒として言葉をかける―

【人生については誰もがアマチュアなんだよ】


このように、個性的なキャラクターが発する言葉が印象的なのと、群像劇の終止符のつけ方が、すばらしい。【パルプ・フィクション】みたいな構成は、映画だからこそできること、と思っていたが、小説で、これほど見事に決着をつけられるとは!

伊坂幸太郎の作品を読んだのは、これがはじめてなので、軽くプロフィールを紹介すると、

1971年: 千葉県生まれ ... 若い!どおりで作品がまだ少ない訳だ。
1995年: 東北大学法学部卒業 ... 物語の舞台が仙台だったことに納得。
2000年: 【オーデュボンの祈り】で、新潮ミステリー倶楽部賞受賞。作家デビュー。
2002年: 【ラッシュライフ】刊行。
2003年: 【重力ピエロ】で、70年代生まれ初の直木賞候補となる。
2003年: 【アヒルと鴨のコインロッカー】で、吉川英治文学新人賞受賞。
2004年: 【チルドレン】で、直木賞候補。
2005年: 【グラスホッパー】で、直木賞候補。
2006年: 【死神の精度】刊行。

解説によると、伊坂幸太郎の作品は、作品ごとにリンクしているらしい。またまた映画にたとえてしまうと、【トリコロール】三部作【白の愛】【赤の愛】【青の愛】のそれぞれの主演女優である、ジュリー・デルピー、イレーヌ・ジャコブ、ジュリエット・ビノシュが、自分が主演でない作品にちらっと登場する―みたいな感じなのかな?

とにかく、全作品、読破しよう!と思える作家に出会えたよ♪

lush_life.jpgラッシュライフ


人気blogランキングへ

posted by nmf at 18:29 | ☔ | Comment(3) | TrackBack(7) |

2005年06月06日

自由恋愛

岩井志麻子の【自由恋愛】(旧漢字では【自由戀愛】)を読みました。

岩井志麻子の作品はこれがはじめてです。きっかけは、TVのトーク番組に出ていた著者の、

- 岡山出身
- バツイチ
- 息子は岡山に置いておいて東京で執筆活動
- ちょくちょく、東南アジアのリゾートに行き、現地のイケメン若造とバカンスを楽しんでいる

という素敵な性格(生活?)が気になってしようがなく、本屋さんで【岩井志麻子】を探し、最初に目に付いた本を買ったのでした。

内容は、大正時代の女学生2人の、卒業後の人生を描いたもの。大正時代ですから、女学生と言えばハイカラさん。女学生時代は、流行の【自由恋愛】やら【職業婦人】を目指していたものの、結局、お見合いみたいな型で【永久就職】するのですが、一方は資産家の次男坊に嫁ぎ幸せいっぱい、もう一方は旦那に離縁され、実家に出戻り、日陰の人生を送っている…。

旧友の出戻りを知り、幸せな方の嫁は、不幸せな方のバツイチ女を、夫の会社の事務員として推薦し…

そう、泥沼の三角関係になっていくのです。

文庫の背表紙にあるあらすじを読んで、少しは想像していたのですが、想像した通りの直球・泥沼で、少しひいてしまいます。

でも、不思議なことに、この人の文章は、泥沼なんだけど、すらすらと読めてしまうんです。確かに、時代が大正ということで、登場人物と自分を容易に重ねられない、という理由もあるのですが、この作品の文章は、どこか客観的というか、主役の2人が語り手であるのに、別の2人が物語を語っているような感覚なのです。そして、詳細は明かしませんが、終わりを読んですっきり!ただのドロドロを書いた作品ではありません。もちろんフィクションでしょうが、こんな女性たちがいたから、今の私たちがあるのかな?頑張れ女の子!という気持ちになりました。

この小説を通して、【大正】という時代に対して思ったこと、それは、当たり前のことだけど「時代が違うな」ってこと。

- 当時、学生になりうる女性は、ほんのひとにぎり(金持ちの令嬢だけ)
- ほとんどの女性は、人手不足の農家に嫁いだ
- 女学校を卒業したとしても、結局どっかの嫁になる(就職なんてしない)
- 出戻るなんてありえないし、いかず後家もありえない?!

ふぅ。
昭和に生まれて良かった♪
今度、実家に帰ったら、ちょっと違う目でおばあちゃん(大正終わり頃生まれ)を観察してみようっと。

読み終えた後に検索してみたら、WOWOWでドラマ化されたようです。

http://www.wowow.co.jp/stock/jiyuu/

jiyuu_rennai.jpg自由恋愛


人気blogランキングへ

posted by nmf at 21:57 | ☀ | Comment(6) | TrackBack(5) |

2005年05月29日

言いまつがい

先日【オトナ語の謎。】を紹介しましたが、今日は、その隣に並んでいた【言いまつがい】を読みました。

【言いまつがい】―言い間違いや、やり間違い、長い間の勘違いなど、日常に起こったあらゆる間違いのこと。おかしみを含んでいることが多い。糸井重里の娘が、幼少の頃、自らの間違いに気づき口走った「よしこちゃん(仮名)、まつがえた!」に端を発する。


冒頭に、

―不特定多数の人々が集まる場所、真剣さが必要な場面などでは読まないでください―


と、注意書きされているのですが、本当に危険です!電車内や、学生さんなら授業中なんかに読んだらやばいです。絶対、吹き出してしまいますから!

文庫の帯に紹介されているのは、以下の5つ。

【壁の上塗り】
【理路騒然】
【まことしなやかに】
【黙ってしゃべれ】
【ざっくらばん】

これらが発せられた場面を想像するだけで楽しくなりませんか?

お気に入りを一つだけばらしちゃいます!

マクドナルドのハッピーセットのおもちゃが犬のぬいぐるみのとき、お母さんが子供に向かって「マルチーズとダッフンダどっちにするの!?」


そして、この本のおかげで、長年勘違いしていたことが一つわかりました。

【神々しい】

この形容詞の読み方、わかりますか?
私は今までずっと【かみがみしい】と読んでいました。

実際、PCで打ってみる。

1.かみがみしい→神々・しい→神々しい
2.こうごうしい→神々しい

つまり、【かみがみしい】は【神々】という名詞と、その残りとして認識され、
【こうごうしい】はダイレクトに【神々しい】という形容詞として認識される。

ご存知だった方には「なに当たり前のこと言ってるの?!」って怒られそう…これまで、声に出していなかっただけ、助かりました!

この本には、【モノの名前】という章もあって、ウチではコレをこう呼んでます!的な話も載っています。

面白かったのが、テレビのリモコンを【ピッピ】と呼ぶ家あれば、そうめんを【ぴっぴ】と呼ぶ家もある。

ちなみに、私の実家では、すき焼きに入れるしらたき(糸こんにゃく)を【ペロちゃん】と呼びます♪

「あ、ペロちゃんもう食べれるよ!」
「次、ペロちゃんも入れて!」

ってね♪

iimatsugai.jpg言いまつがい


人気blogランキングへ

posted by nmf at 19:28 | ☁ | Comment(1) | TrackBack(2) |

2005年05月27日

海辺のカフカ

村上春樹の【海辺のカフカ】を読みました。

昔、【ノルウェイの森】に途中で挫折したのですが、彼の作品はいつもタイトルが素敵で、心惹かれるし、受賞作品も多く、売れているようなので、興味はありました。

プロローグ、第1章、第2章まで読んで、「変わってるなぁ」という印象でした。

主人公である15歳の少年を主体とした部分は、通常の明朝体で書かれていて、少年の心に語りかけてくる「カラスと呼ばれる少年」の箇所は、太文字のゴシック体で書かれています。

今まで読んだ小説で、このように表示分けされているものは見たことがなかったので、ちょっとした慣れが必要でした。

WEB上の電子書籍なら考えられますが、縦書きの紙の小説では、あまり見かけませんよね?

物語も変わってます。他の作品をまだ読んでいないのでわかりませんが、「これが、村上ワールド?」と思いました。これを機に、他の作品も読んでみようと思っています。

今回は、あえて【ネタばらし】しません。

久しぶりにオススメなお話ですので、興味のある方、是非、読んでみてください。

あ、でも少しだけ、ネタばらし。

少年が、森の中で旧日本軍の兵士2人とともに、ある目的地に向かう…という場面があるのですが、ちょうどそのへんを読んでいたときに、【フィリピン・ミンダナオ島で、元日本兵とみられる男性2人の生存】というニュースをTVで見ました。一瞬、現実と本の世界の区別がつかなくなり、背中がぞぞっとしました。

Kafka_on_the_Shore1.jpg海辺のカフカ<上>

Kafka_on_the_Shore2.jpg海辺のカフカ<下>


人気blogランキングへ

posted by nmf at 16:46 | ☀ | Comment(2) | TrackBack(1) |

2005年05月16日

パラダイス・サーティー

土曜は、サル練でした。
GWにラーメンばかり食べていたせいか、なかなか思うように動けませんでした。
でも、1得点できたので良し!っと。

日曜、案の定、筋肉痛!
だるかったので、本を読んだり、ビデオを観たりして過ごしました。

乃南アサさんの【パラダイス・サーティー】を読み終えました。
female】を読んだときに、長編も読んでみたいと思い、本屋さんで見つけた【パラダイス・サーティー】を、とりあえず買ってみました。

内容は、さえないOLが29歳の誕生日に家族と喧嘩して、家出し、今はオナベをしている幼なじみのところに転がりこみ、OLが30歳の誕生日を迎えるまでの1年間を、【OLと青年実業家】と【オナベとヤクザの妻】という2つの恋愛を軸に描いたお話です。

主人公のOLが、いまどきこんな奴いるか?!っていうくらい、古い考えの持ち主で、30までに結婚することを目標にしてたりするんだけど、まったく共感できなくて、読み続けるのが正直しんどかったです。

この人、よく妄想するんだけど、その描写の部分で眠気に襲われ、しおりを挟まずに寝てしまったことが何回もありました。

もう一人の主人公であるオナベには、私はノーマルですけれども、なかなか自分の心の中を他人に打ち明けられず、それでいてかっこつけで、他人の相談ばかりに乗ってしまうところが、共感できました。

興味深かったのは、【今の30歳=昔の20歳】というエピソード。
平均寿命が昔に比べて1.5倍になっているから、今の30歳は、昔の20歳に換算されるという意味なんだけど…

確かに!

歴史を見たりすると、偉業を成した昔の人って、マジ?!ってくらい若いときに偉いことやってるもんね!

ということは、昔の人の人生に比べると、今の人の人生は、濃度が薄まってるってことか?!

それと、主人公のOLがヤケ酒するときに飲む、【ビールフロート】
これのレシピが知りたい!
とりあえず、【ギネス】+【ハーゲンダッツのバニラ】なら、見た目コーラフロートの【ビールフロート】ができあがりそう♪

Paradise_Thirty_1.jpgパラダイス・サーティー<上>

Paradise_Thirty_2.jpgパラダイス・サーティー<下>


人気blogランキングへ

posted by nmf at 21:52 | ☁ | Comment(6) | TrackBack(0) |
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。